アンビシャスの演出

 昔演じていた、アンビシャス・カードの演出を書いておきます。

大き目のシールを用意します。
普通なら、そこにサインをしてもらうのですが、ここからが違います。

そこに、絵を書いてもらいます。

例えば“ミッキーマウス”とか“鉄腕アトム”とか“ピカチュー”など、頭には浮かぶけど、実際には書きにくいものを選びます。
出来れば、正解の絵がある方がいいですが、別になくても構いません。
大体がヘンなイラストになり、笑いが起こります。

アンビシャスで上がってきたカードを見せるときに、そのキャラクターにあった台詞を付けます。
例えば、「上のカードは違うカードです。でも指を鳴らすと…、『ミッキーだよ〜』」って感じです。

欠点を言うなら、たまに信じられない位、パンチのあるイラストを書く人が居ます。
イラストの迫力に、手品が負けてしまう事がありますので、その辺りは注意を…。
まぁ、手品が消えるくらい楽しんでもらったら、それはそれで“有り”ですけどね。
マジシャンによっては、嫌がる人も居てると思いますが。



 もうひとつの演出も、同じく大きめのシールを使います。
こちらの方がマジシャン好みかも知れません。

演者がシールに忍者のイラストを書きます。
お客さんに名前を聞き、イラストの下の部分に、お客さんの名前の最後に“丸”を付けて書きます。
例えばお客さんの名前が“こうじ”なら“こうじ丸”といった具合です。

「ここに忍者こうじ丸が居ます。この忍者を中に入れても、合図ひとつですぐに現れます」といった具合です。

この忍者の演出だと、ルポールのサイフに移動して出てきたときに、お客さんが「なんでぇ〜!」で聞いてきても、『忍者だから出来たんですよ』と、不思議な現象も忍術でまとめる事が出来ます。

こういった“返し方”って、マジシャンで好きな人、結構居ますよね。

関西だけかも知れませんが、上記のような返答をしても、「そういう意味じゃなくて…」と流さずにさらに返してくる人も居ますが…。

演出ひとつで、今まであったマジックも違うように見え、逆に演出の方からマジックが進展する場合もあります。
忍術の“分身の術”をカードで表現して見たりなど。

現象を助ける演出、楽しませる演出、色々考えられると思いますが、実はそれって、今、自分が求めているものだったりするものです。






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